マスクも作り出すことができ、人気沸騰中の「3Dプリンター」。
5年以上3Dプリンターを活用している経験から、
失敗しない家庭用3Dプリンターの選び方とおすすめを紹介します。
3Dプリンターはどのような種類・使い方なのか、簡単に解説。
3Dプリンターとは?種類と使い方

写真を印刷するように、3Dプリンターは手軽に立体的にデータをプリントすることができます。
フィギュアやスマホケース制作、透かし絵も作ることができる今需要の高まる便利アイテム。
3Dプリンターの比較【種類は主に2つ】
- 「FDM(熱溶解積層)方式」
- 「光造形方式」
家庭用3Dプリンターとして人気に火がついているのは「FDM(熱溶解積層)方式」。
注目され始めている「光造形方式」も紹介します。
まず「FDM」と「光造形」2つの簡単な原理と特徴を解説します。
FDM(熱溶解積層)方式

FDM(Fused Deposition Modeling)は日本語で熱溶解積層方式です。
FDM方式の原理
FDM方式3Dプリンターの簡単な原理は次の流れです。
- フィラメント(糸状の樹脂)を熱で溶かす
- 薄い層を積み重ねて形を作る
簡単に言うと、アイスクリームのように樹脂の層を積み上げて形を作っていきます。
FDM方式の特徴
FDM方式の3Dプリンターの特徴は主に次の2つ。
- 様々な材質を利用できる(ABS,PLA,ナイロンなど)
- 光造形方式と比べて材料の扱いが簡単
様々な材料が扱えるため、材料の硬さや色など、用途に応じて材料を使い分けることが出来ます。
取り扱いも簡単で、家庭用として人気が高くおすすめです。
光造形方式

光造形方式3Dプリンターは、光で硬化する液体樹脂を使って造形します。
光造形方式の原理
光造形方式3Dプリンターの原理は簡単に次の流れです。
- レジン(液状の樹脂)に紫外線レーザーを当てる
- レーザーで一層ずつ硬化を繰り返して造形
FDM方式は熱で溶かしていましたが、光造形は溶かすのではなく、固めながら積層していきます。
光造形方式の特徴
光造形方式3Dプリンターの主な特徴は次の2つ。
- 主な材質はエポキシ系/アクリル系樹脂
- FDM方式と比べて高精度で滑らかな造形
3Dプリンター使い方の流れ【たったの2ステップ】

3Dプリンターで造形していく手順の流れを紹介します。
3Dプリンターはたったの2ステップで使えます。
- 3Dデータを用意する
- 3Dプリンターにデータを渡し造形
3Dデータを用意する【初心者もかんたん】
3Dプリンターでの造形には「3Dプリント用の3Dデータ」が必要になります。
3D CAD/CGソフトで「3Dデータ」を作成することができます。
「3Dデータを作れない…」という方も安心してください。
Thingiverseなど3Dデータ無償共有サイトがいくつもあり、ダウンロードして初心者でも気軽に3Dプリントを楽しめます。
学生であれば、CAD操作が直感的にできるFusion360(3DCADソフト)を無料利用してかんたんにデータ作成可能。
3Dプリンターにデータを渡し造形
3Dプリンタに専用ソフト(スライサ)を使って、「3Dデータ」を3Dプリント用に変換して「3Dプリンタ」に送ります。
3Dプリンタにデータを渡したら、造形を始めるだけです。
造形中は特に操作は必要なく、待つだけです。大きいサイズだと造形に数時間かかる場合もあります。
家庭用3Dプリンター【失敗しない選び方】

3Dプリンターは価格が下がってきていますが、決して安いわけではないですよね。
失敗しない3Dプリンターの選び方を紹介します。ポイントは大きく2つ。
- 初心者は完成品を選ぶ
- プリントできるサイズ/材料/精度を確認
初心者は完成品を選ぶ
初心者は、すでに組み立てられている「完成品」3Dプリンターがおすすめ。
組み立てで挫折したり、失敗することがないです。
購入して家に届いたら、すぐに使い始めることができ簡単です。
造形できるサイズ/材料/精度を確認
3Dプリンターがプリントできる、サイズ/材料/精度を確認して選択しましょう。
造形できる「サイズ」
「造形できるサイズ=作れるモノのサイズ」です。
造形できるサイズが大きければ、小さいものから大きいものまで造形できます。
しかし、造形できるサイズで3Dプリンター本体の大きさも変わってくるので設置スペースを考えるのが大切。
造形できる「材料」
「3Dプリンターの造形に使うことができる材料」です。
様々なフィラメント(造形に使う材料)が登場していますが、全てのプリンターで使えるわけではないです。
「この材料も使ってみようかな…非対応だった」という事態にならないように、使える材料が多いのを選択するのがおすすめです。
造形できる「精度」
「造形できる精度=積層ピッチ」です。
プリントの積層ピッチ(材料積み上げの厚さ)が小さいほど、細かい印刷ができます。
最近の家庭用3Dプリンタは印刷精度に特に大差なく、きれいに印刷できるものが増えています。
どの3Dプリンタにするか迷ったときに確認してみるのがおすすめ。
家庭用3Dプリンターおすすめ人気5選

光造形方式

造形サイズ | 115×65×150mm |
造形できる材料 | ABS類樹脂/エポキシ樹脂 |
造形最小ピッチ (精度) | 0.01mm |
光造形方式では、扱いやすい3Dプリンター。
印刷できるサイズは決して大きくないものの、精度が高い。
積層ピッチ0.01mmのプリントは、積層しているとは思えない滑らかな出来上がりです。
価格も他の光造形方式のプリンターより安く、
光造形3Dプリンターを試してみたい方におすすめの一台です。
FDM(熱溶解積層)方式

造形サイズ | 200×200×200mm |
造形できる材料 | PLA/ABS/PETG |
造形最小ピッチ (精度) | 0.02mm |
家庭用プリンターで高性能3Dプリンターといえばこれ。
他のプリンターと比較すると高価ですが、高クオリティで安いくらいです。自動調整機能もあり、初心者にも扱いやすいです。
造形サイズ、精度ともに申し分ない、選んで間違いない3Dプリンターです。

造形サイズ | 150×150×150mm |
造形できる材料 | PLA/PETG |
造形最小ピッチ (精度) | 0.1mm |
ダヴィンチを小型化したminiモデル。
造形精度は落ちてしまうものの、試作品や家庭での作品作りで充分活躍します。
操作性も良く、コンパクトタイプで置き場所に困らない。
小さいスペースで3Dプリンターを利用するのにピッタリの一台です。

造形サイズ | 140×140×140mm |
造形できる材料 | PLA/ABS |
造形最小ピッチ (精度) | 0.05mm |
最大の特徴は家庭用3Dプリンターに嬉しい超静音設計。
3Dプリンターは動作音を抑えたモデルで、
家庭はもちろん、オフィス内の設置利用にも最適です。
プリントサイズがやや小さめですが、小物製作には最適。
3Dプリンターで超静音タイプを探している方におすすめの一台です。

造形サイズ | 220×220×250mm |
造形できる材料 | PLA/ABS/WOOD/TPU |
造形ピッチ (精度) | 0.1mm |
造形サイズは家庭用では最大級で、コスパ最強の3Dプリンター。
組立式で初心者には少しハードルが高いです。
詳しい組立ガイド付で、組み立てを通して3Dプリンターの仕組みを理解することにもつながります。
印刷できる材料の種類も多く、様々な作品を作りたい方におすすめの3Dプリンター。
家庭用3Dプリンターおすすめ比較【サイズ/材料/精度】

製品 | ELEGOO Mars | XYZprinting ダヴィンチ1.0 pro | XYZprinting ダヴィンチmini | FLASHFORGE Finder | Creality Ender-3 |
造形サイズ | 115×65×150 mm | 200×200×200 mm | 150×150×150 mm | 140×140×140 mm | 220×220×250 mm |
造形可能な主材料 | ABS類樹脂 エポキシ樹脂 | PLA ABS PETG – | PLA – PETG – | PLA ABS – – | PLA ABS PETG WOOD/TPU |
造形ピッチ (精度) | 0.01mm | 0.02mm | 0.1mm | 0.05mm | 0.1mm |
「XYZprinting ダヴィンチ1.0 pro」は造形サイズが大きく、精度も良く、造形可能な材料も多めで総合的に評価が高くおすすめです。
家庭用3Dプリンターおすすめ選び方と使い方【まとめ】
おすすめの3Dプリンター、選び方と使い方も合わせて紹介してきました。
- 3Dデータを用意する
- 3Dプリンターにデータを渡し造形
- 初心者は完成品を選ぶ
- 造形できるサイズ/材料/精度を確認
どれにするか決まりましたか?
迷ったら、初心者でもスムーズに使える完成品がおすすめです。
組立不要で高クオリティの一台、選んで間違いのない3Dプリンターです。
組立が必要ですが、造形サイズも大きく、調整次第で高クオリティの印刷が可能。
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